ミゴリの町の北西に位置し、ビクトリア湖地域にあるこの乾式石壁の集落は、16世紀CEに建設されたとされています。オヒンガ（すなわち集落）はコミュニティや家畜のための要塞として機能したようですが、同時に血族に繋がる社会的単位や関係も定義していました。ティムリッチ・オヒンガはこれらの伝統的な囲いの中で最大かつ最良の保存状態を誇ります。これは、16世紀から20世紀中頃まで続いたビクトリア湖盆地の最初の牧畜コミュニティの典型的な巨大乾式石壁の囲いの伝統を示す卓越した例です。

顕著な普遍的価値

ビクトリア湖地域のミゴリの町の北西46 km に位置するティムリッチ・オヒンガ考古遺跡は、共同占有、技術産業、家畜をベースにした複雑な組織システムに基づく乾式石壁の集落で、16世紀から20世紀中頃に至るまで続いたビクトリア湖盆地のニャンザ地域における牧畜コミュニティによって発展した文化的伝統を反映しています。

ティムリッチ・オヒンガは、これらの巨大な乾式石壁囲いの中で最大かつ最良の保存状態を誇ります。オヒンガは主にコミュニティと家畜の安全を確保するために機能したようですが、同時に血縁に基づく社会単位と関係も定義していました。

この遺産は四つの大きなオヒンニからなり、全てが拡張されています。主なオヒンガはコチエンと呼ばれ、他はカクク、コケッチ、コルオチと呼ばれています。乾式石壁の囲いは三段階設計で、外部と内部の段階が別々に築かれ、中間段階によって固定されています。石はモルタルやセメントを使わずに、全体の安定性を高めるために組み合わせたシステムで配置されていました。壁はモルタルを使わずに、さまざまなサイズの石が整然と積まれ、高さは1.5 mから4.5 mで、平均の厚さは1 mです。

ティムリッチ・オヒンガは、16世紀から17世紀にかけてのビクトリア湖盆地における移住と入植の重要なエピソード中、様々な言語的起源の異なる人々による連続した占有を記録しており、ビクトリア湖盆地での集落パターンや空間的なコミュニティ関係の卓越した証です。それはまた、この時代のコミュニティ集落で流行した居住パターン、家畜の飼育、工芸の実践にも言及しています。